サイコな機長の偏愛生活(加筆修正中)
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「では、来週月曜日の十四時に変更しておきます」
「頼む」
「本部長、それとっ」
「何だ」
「この後、社長に呼ばれてまして、二時間ほど不在になります」
「分かった。行く時にフルーツ大福でも手土産に持って行ってくれ」
「承知しました」
巡回を終え、自室のドアを開けると……。
「ッ?!……彩葉、何でここに?」
「ごめんなさいっ、連絡もせずに突然押しかけてしまって」
「あ、いや、……それは構わないけど」
「酒井さんに無理やりお願いして、中に入れて貰いました。勝手でごめんなさいっ」
一週間ぶりに見た彼女は、少し痩せたように見える。
正確にはやつれた感じか?
顔色もあまり良くないように見える。
「何か飲むか?」
「それなら、私が淹れます」
「……じゃあ、珈琲を」
「はい」
彼女は珈琲を淹れに部屋を後にした。
久しぶりに心臓が暴れ出す。
ここ数日は、あの出来事を忘れようと正常心を保つように心掛けていたのに。
彼女を一目見た途端に、こんなにも容易く心が疼くとは。
ソファーに腰を下ろして、深呼吸を何度か繰り返す。
ずっと放置できないことも分かっている。
どんな形にせよ、ちゃんと話し合わないといけないことも。
彼女に逢いたくなかったわけじゃない。
むしろ、今すぐ駆け寄って抱き締めたい衝動に駆られている。
けれど、彼女の心が既に別の男に向いてしまっているのなら、俺が行動することで躊躇わせてしまいそうで。
こうして彼女から逢いに来てくれたことが有難く、正直助かった。
どうやって話を切り出そうかと悩みあぐねていたから。