サイコな機長の偏愛生活(加筆修正中)
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郁さんとやり直したくて職場へと押し掛けた。
先輩から『時間が経てば経つほど修復が難しくなる』と教わったから。
なりふり構わず、今出来ることを全力で示す以外に手立てがない。
『プロポーズの練習』に付き合っただけなんだけど、そもそもそれ自体を断ることだって出来た。
だけど『女性外科医』という、自分を鏡で見てるようで、元宮くんのお願いを断れなかった。
外科医の相手に選ぶなら、不規則な勤務体系を熟知して理解を示してくれる人じゃないと無理なのは分かり切っていることだもの。
フルで仕事をしててもお互いに仕事に対して尊重し合える人と巡り合えるなんて、ほぼ奇跡に近い。
専業主婦や規則的な仕事をしていてフォローして貰えるなら別だけど。
医者、外科医といったステータスに憧れる女性であっても、恋愛と結婚は別物だ。
だからこそ、元宮くんの想いを寄せてる女性に対しても倖せになって貰いたくて。
まさか、郁さんをあんなにも追い詰めるとは思いもしなくて。
反省の域を遥かに超える状況を作り出してしまった。
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郁さんと入浴するのは初めてじゃないけれど、やっぱり緊張する。
恋人に自慢できるようなボディなわけじゃないし、決して若くないから肌にハリもない。
唯一自慢できるのは、男性社会の外科医として、体だけは鍛えるようにしている。
十時間を超える手術を執刀するのに、ふらついていたら話にならないから。
若い時はジムに通ったりもした。
マッチョな彼と一緒にジム通いして、筋力をキープしてたけど。
今はジム通いする時間があるなら、料理教室に通いたくて。
だから、キッチンに立つ時に腕立てしたり、スクワットしたり。
リビングで寛ぐ時にもヨガみたいなストレッチしながら出来るだけ体形をキープするように心掛けてる。