鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
「オデット。俺自身の勝手な気持ちでは、君はそのままの素直で可愛いままで居て欲しい。だが、俺が惚れたのは、あの恐ろしい鉄巨人からも怯まずに逃げていた勇敢なお姫様だろう。あんな雑魚の言い分になど拘らずに、嫌味などそよ風程度で流せるほどに強くなれ。弱い奴ほど、良く吠える。それに、俺のような面倒な立場を持つ奴の隣に居れば、頭に来る事もとても許し難い事も。これから、数え切れないほどにあるだろう。何だその程度もっとやって来いと、笑い飛ばすくらいの覚悟が居る。それでも、俺と一緒に居たいか?」

 キースの静かな問い掛けに、オデットは怯まず迷わなかった。

「居たい! いつか、私がキースを守れるようになる。私を、救ってくれて守ってくれたように」

 そう言って、両手を握りしめて決意をしたオデットを見てキースは少し困った顔をして頷いた。

「……そうか。まあ……俺は守りたい側ではあるんだが、大事な恋人のやる気を挫くようなことは言いたくはない。自分のしたい事を、程々に頑張ってくれ」
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