だって、君は俺の妻だから~クールな御曹司は雇われ妻を生涯愛し抜く~
「金があれば助かるのに、なぜそのチャンスをものにしないんだ」
続けられた言葉に目を見張る。
久弥さんの言い分にこれ以上耳を傾けるつもりはなかったのに、心が揺れた。
「手術をすればよくなるんだろう?」
彼の眼差しは真剣そのもので、打算的なものはなにも感じられなかった。私に結婚を承諾させるためとか、それを抜きにして必死に訴えかけくる。
『祖母は、このままだとあと半年だって言われている』
どんなにお金があって、素晴らしい環境を用意できても、どうにもできず余命を宣告されている祖母を前に久弥さんはどんな思いをしてきたんだろう。
「でも……」
とはいえ、すぐに決断できない。そのときバッグの中で私のスマートフォンが震えた。マナーモードにしていたのだが、おそらく電話だ。
取るかどうか迷ったが、久弥さんが私の腕を離したので、バッグからスマホを取り出す。ディスプレイには母の同僚で、私も顔見知りの事務職員の名前があった。
かなり珍しい相手に、慌てて電話に出た。
「はい」
『瑠衣ちゃん? 大変よ! 恵美さんが倒れて救急車で医療センターに運ばれたの』
頭が真っ白になった。足元から崩れそうになるのを必死にこらえ、状況を聞き出す。
母は事務所で作業していたところ、突然胸を押さえてその場に倒れ込んだそうだ。母の友人であり同僚の村上さんが付き添ってくれているそうで、私もすぐに向かうと伝える。
続けられた言葉に目を見張る。
久弥さんの言い分にこれ以上耳を傾けるつもりはなかったのに、心が揺れた。
「手術をすればよくなるんだろう?」
彼の眼差しは真剣そのもので、打算的なものはなにも感じられなかった。私に結婚を承諾させるためとか、それを抜きにして必死に訴えかけくる。
『祖母は、このままだとあと半年だって言われている』
どんなにお金があって、素晴らしい環境を用意できても、どうにもできず余命を宣告されている祖母を前に久弥さんはどんな思いをしてきたんだろう。
「でも……」
とはいえ、すぐに決断できない。そのときバッグの中で私のスマートフォンが震えた。マナーモードにしていたのだが、おそらく電話だ。
取るかどうか迷ったが、久弥さんが私の腕を離したので、バッグからスマホを取り出す。ディスプレイには母の同僚で、私も顔見知りの事務職員の名前があった。
かなり珍しい相手に、慌てて電話に出た。
「はい」
『瑠衣ちゃん? 大変よ! 恵美さんが倒れて救急車で医療センターに運ばれたの』
頭が真っ白になった。足元から崩れそうになるのを必死にこらえ、状況を聞き出す。
母は事務所で作業していたところ、突然胸を押さえてその場に倒れ込んだそうだ。母の友人であり同僚の村上さんが付き添ってくれているそうで、私もすぐに向かうと伝える。