だって、君は俺の妻だから~クールな御曹司は雇われ妻を生涯愛し抜く~
第三章 特権行使の触れ合いは日常に
 母の転院に付き添ったり仕事の追い込みでバタバタしていたが、年末年始の休暇を利用して久弥さんのマンションに引っ越し、主に彼の親戚への挨拶回りを済ませた。

 久弥さんと一番関係が近い伯父家族に結婚の報告に行った際、現TOGAコーポレーションの社長である久光(ひさみつ)さんは不在で、久弥さんの従兄である久志(ひさし)さんと彼のお母さまが気さくに出迎えてくれた。

 どうやら十河家の男子は〝久〟の字がつくのが習わしらしい。ちなみに久弥さんのお父さまは久彦(ひさひこ)さんというそうだ。

 今、TOGAコーポレーションは久志さんへの代替わりの準備を進めているらしく、新社長として慌ただしい日々を送っているんだとか。

『久弥が結婚なんて最初連絡をもらったとき、本当に驚いたんだ。久弥となにかあったらいつでも俺に連絡しておいで』

 久弥さんの従兄で、かつTOGAコーポレーションの社長子息と聞いていたので、硬い雰囲気を想像していたが、久弥さんのふたつ年上である久志さんは想像以上に気さくな人だった。

 わずかに黒に近い茶色に染めた髪は少し癖があり、どこか光子さんを彷彿とさせる茶目っ気と、久弥さんと同じくぱっと目を引く外見はしっかりとした血の繋がりを感じさせる。

『少なくともお前には連絡させない』

 圧倒される私を庇うように久弥さんが口を挟み、久志さんとのやりとりについ噴き出しそうになった。
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