だって、君は俺の妻だから~クールな御曹司は雇われ妻を生涯愛し抜く~
久しぶりの映画館に胸を弾ませ、パンフレットを見て期待を高める。ふと隣に座る久弥さんを盗み見ると、なんだか不思議な気持ちになった。彼の目もパンフレットに向けられていて、すぐそばにある端正な横顔にドキッとする。
すっと通った鼻筋、薄い唇、意志の強そうなきりっとした目は他者を圧倒させ、惹きつける。この人が自分の夫なのだと思うと不思議であり、今さらながら分不相応さに冷や汗をかきそうになった。
光子さんの件がなかったら結婚どころか、こうして隣に座ることさえない人なんだ。意識したら、心臓が早鐘を打ちだす。そのとき不意に久弥さんと視線が交わる。続けて彼はさりげなく私の頭に手を置いた。
「楽しみなのはわかるが、ちょっと落ち着け」
「あ、はい」
そわそわする私に気づいたらしく、呆れた面持ちで告げてくる。急に恥ずかしくなり、パンフレットで顔を隠すようにして前を向いた。
「楽しみにしていたので」
「なら、よかった」
ぽつりと呟くと、打って変わって穏やかに返される。
映画だけじゃない。久弥さんからふたりで出かけるのを提案されたときから、ずっと期待と不安混じりで過ごしていた。嬉しくて、楽しみで、でも勘違いしてはいけないと言い聞かせて。
言われたのが昨日でよかった。もっと前から誘われていたらきっと身が持たなかった。
緊張しつつも映画が始まったら、久弥さんが隣にいるのも忘れて夢中になった。
すっと通った鼻筋、薄い唇、意志の強そうなきりっとした目は他者を圧倒させ、惹きつける。この人が自分の夫なのだと思うと不思議であり、今さらながら分不相応さに冷や汗をかきそうになった。
光子さんの件がなかったら結婚どころか、こうして隣に座ることさえない人なんだ。意識したら、心臓が早鐘を打ちだす。そのとき不意に久弥さんと視線が交わる。続けて彼はさりげなく私の頭に手を置いた。
「楽しみなのはわかるが、ちょっと落ち着け」
「あ、はい」
そわそわする私に気づいたらしく、呆れた面持ちで告げてくる。急に恥ずかしくなり、パンフレットで顔を隠すようにして前を向いた。
「楽しみにしていたので」
「なら、よかった」
ぽつりと呟くと、打って変わって穏やかに返される。
映画だけじゃない。久弥さんからふたりで出かけるのを提案されたときから、ずっと期待と不安混じりで過ごしていた。嬉しくて、楽しみで、でも勘違いしてはいけないと言い聞かせて。
言われたのが昨日でよかった。もっと前から誘われていたらきっと身が持たなかった。
緊張しつつも映画が始まったら、久弥さんが隣にいるのも忘れて夢中になった。