まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~

029 スープ

 私がシャワーを浴びて着替え終わると部屋まで戻ると、大きなソファの前にあるローテーブルに、春くんが肉や野菜を細かく刻んだスープを並べてくれていた。

「美味しそう。春くんありがとう」

「いきなり、固形の物はしんどいと思うし……煮込んでおいたから消化に良いと思う。どうせ心配で眠れなかったから、作っといて良かったよ」

「……寝てないの?」

「透子が目覚めないのに……寝れる訳ないよね?」

 逆に真面目な顔で聞き返されて、私はうっと言葉に詰まってしまう。

「……理人さんと雄吾さんは、何処に行ったの?」

 私は気を取り直してスープに口をつけながら、疑問に思っていたことを聞いた。美味しそうな匂いの通り、期待を裏切らない味。

「んー……透子を夢の世界に閉じ込めた奴を、ぶっ飛ばしに行ったんじゃない?」

 私は飲んでいたスープを、吹き出しそうになった。すんでのところで止めて、慌てて飲み込む。

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