まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~

035 朝

 目が覚めたらビックリした。

 すぐ隣に、理人さんが寝てたからだ。

 なんでもない黒いスウェットを着ている凄く美形な人が、私の顔の間近で規則正しい寝息をたてていて、長い睫毛が目元に影を落としている。

 仕事で疲れているのかな。熟睡しているみたいで、すぐ近くに居る私が身動ぎしても起きる気配はない。そっと頬に触れてみる。

 皮膚の感触は冷たくて、少し髭が生えてきているのかもしれない。ざらっとしてる。それが楽しくて、何度か頬を往復してしまった。

 ふ、と笑ってしまったところで、その手が掴まれた。

「おはようございます」

「あ、ごめんなさい……」

 いつの間にか瞼は開き透明のグレーの目に見つめられて、私は慌てて手を引き抜こうとするけど、逆にぎゅっと手を握られた。

「謝らないでください。僕こそベッドに勝手に入ってすみませんでした」

「えっと。それは……大丈夫です。昨日は遅かったんですか?」

「帰ったのは二時くらいかな。色々調べ物をしていたら、遅くなってしまいました」

 はっとして、壁に掛けられた時計を見ると七時になったところだった。

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