まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~

006 夫選び

 近い内と飛鳥さんは言っていたけれど、そんな間も許されなかった。翌日から、夫候補との怒濤の面会ラッシュがはじまってしまった。

 勘違いでなければ……見目が良くて、この日本でも社会的な地位がとても高いエリート達が集められた様子だった。山のような身の飛び出るような経歴の書かれた釣書が届き、私はその中から、なんとか気になった人を選び出してすぐに面会。

 最初にここにまで案内してくれた中年の男性は、自己紹介をしてくれて泰志さんと名乗ってくれた。あれから何日か経って、泰志さんは秘書のように甲斐甲斐しく私の世話をしてくれる。

 特に知りたがった訳ではないんだけど聞いたところによると私と年齢も釣り合わない上に彼はもう既に既婚者であり、夫候補とはならないというのも考慮に入れられての抜擢らしい。

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