君とふたりで。



その日の夜。



いつものように一紀とはメールをしていた。



さっきの“違和感”は、メールですっかり消えてしまっていた。



普段通りのやりとり。



少し安心していたのは確かだ。




「お風呂入ってくるね」と送ると、「いってらっしゃい」


すぐに返信が来た。



お風呂を早めに済ませ、また携帯を開く。




  To:沢田 一紀

  今上がったよ!




しばらく返信は来なかった。



あっちもお風呂かな?


そんな軽い感じで待っていた。



ちょっとすると、携帯の着信が鳴った。




  From:沢田 一紀

  咲良、ちょっと
  話あるんだけど
  大丈夫〜??




嫌な予感はした。


こーゆう曖昧な言い回しの時…
一紀はあまり良い話をしない。



でも、ちゃんと絵文字がついてたし。


きっと大丈夫だと思った。
…いや、思おうとしたんだ。



内心はドキドキしながらも平然を装った。



「何?」と返すと、またしばらくして返信が来た。



そのメールを見た時…
一瞬何が書かれているのか、理解出来なかった。




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