Cherry Blossoms〜偽りの絆〜
庄司がそう言うと、看護師たちも口々に「行ってらっしゃい!話をまた聞かせてね!」と一花たちを見送る。ヨハンはどこか照れ臭そうに、一花は驚きつつも恥ずかしそうにしていた。

「行ってらっしゃい」

桜士がそう言うと、一花は一瞬肩を震わせた後、返してくれた。

「行ってきます」

三人がドアの向こうへと消えていく。それを見届けた後、桜士の肩を庄司が叩いた。

「よし、救急科は俺たちで頑張ろう!」

「はい!」

桜士が頷いた刹那、救急車の受け入れ要請の電話が鳴り響く。すぐに桜士は電話を取った。

「もしもし、榎本総合病院の救急科です。……はい、二十代男性、駅の階段から落ちて意識不明。わかりました、受け入れます」

桜士が電話を切ると同時に、庄司のそばに置かれている電話も鳴り出した。それを見た庄司は苦笑する。

「急に忙しくなってきたね〜」

「そうですね、頑張りましょう!」

桜士は庄司に笑いかけ、救急搬送されてくる患者の受け入れ準備を始めた。
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