Cherry Blossoms〜偽りの絆〜
バタバタと音を立てながら、一花の二人の弟の伊一と一央が走ってくる。それを見た少年はため息を吐き、二人に呆れたように言う。

「校則に「廊下は走らないように」と記載されているはずですが?」

「へ〜へ〜、委員長様は真面目ですこと!」

伊一は嫌そうな顔をしながら少年を睨み、少年もまた伊一を睨み返す。一触即発、そんな空気が漂う中、一花は迷うことなく伊一の頭を軽く叩く。

「こら、人を睨まない!」

「いって!」

伊一が痛がる中、一花は少年に「弟がごめんなさい」と謝る。そんな一花の隣で、一央はヨハンとクラウディオに挨拶をしていた。

「校長室の場所、知ってるか?」

ヨハンが訊ねると、「もちろん!」案内するよ!」と一央は笑顔で言う。その時、「こら、お前たち」と男性の声がした。

一花たちが顔を向けると、そこには釣り上がった鋭い目に長めの黒髪をサイド三つ編みにした男性が立っていた。グレーのタートルネックの上に黒いジャケットを羽織ったその男性は、一花たちをどこか警戒したような目で見ている。
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