Cherry Blossoms〜偽りの絆〜
「こんにちは、本日こちらで講演させていただくeagleの者です」

クラウディオが人当たりのよい笑みを浮かべ、男性に近付く。男性はクラウディオの言葉を聞くと一瞬にして警戒を解き、「失礼しました」と笑みを浮かべる。

「私は、こちらで国語の教師として働いているファン・ヨンと申します」

「先生は中国の上海出身なんだ。授業、すごく面白いんだぜ!」

一花の手を引き、伊一が嬉しそうに笑いながらヨンを紹介する。その様子は、まるで可愛がってくれる人に尻尾を振る犬のようである。

「国語の先生かぁ……」

ヨハンがそう言いながらヨンをジッと見つめると、ヨンはコホンと咳払いをした後、生徒三人に言う。

「お前たち、もうすぐ予鈴が鳴るぞ。そろそろ教室に戻りなさい。お客様は先生が校長室までご案内するから」

少年と一央は真面目に「はい」と、伊一はどこか気怠そうな声で「は〜い」と言い、一央と伊一は一花に手を振った後、教室に戻っていく。それを見届けた後、ヨンは一花たちに声をかけた。
< 28 / 57 >

この作品をシェア

pagetop