Cherry Blossoms〜偽りの絆〜
「校長室にご案内します」

「ありがとうございます」

三人はお礼を言い、ヨンのあとについていく。その間、学校のことや生徒のことなどを教えてもらった。

「皆さんに最初に声をかけたのは、扇町栄二(おうぎまちえいじ)くんですね。彼は三年三組の委員長をしていて、お父様は政治家、お母様は会社経営をされているんです」

「三年三組って、私の弟と同じクラスなんですね!」

驚く一花に、ヨンはニコリと笑った後、「個性豊かで素敵な二人とも弟さんですよ」と話す。弟のことを褒められ、一花はどこか自分のことのように嬉しく感じた。

「よかったな、一花」

ヨハンとクラウディオがそう言い、一花の頭を優しく撫でる。一花は照れたように笑った。



校長室で校長先生に挨拶してしばらくして、一花たちは体育館へと向かう。その間、一花の脈は高くなっていた。

「すごく緊張してきたわ……」

「俺も……」

一花とヨハンは顔を見合わせる。この日のために練習を重ねてきたものの、手は微かに震え、心拍は上がってしまう。それを見ていたクラウディオは、「大丈夫」と二人に言った。
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