「信じられない」を、「真実の愛」に変えてくれたキミへ
本田くんはそう言いながら、わたしのストロベリーフラペチーノに手を伸ばそうとした。
「あっ……! わたしのより、翠の方飲んでみて?」
わたしは思わず隣にあった、翠のストロベリーフラペチーノを本田くんの目の前に置いた。
あんまり慌てて置いたものだから、ドン、という音がした上に、溢れてテーブルを少し汚してしまった。
「え?」
わたしの行動を変に思ったであろう、本田くんは目をまんまるにしている。
「そりゃそうだろ。俺はまだしも、お前まで飲んだら百々葉の分どんどん少なくなっちまうだろうが」
ひーくんがフォローするように、本田くんにそう悟った。
「えー、なんだよ。その俺だけががぶ飲みしようとしてるって思われてるような雰囲気。俺、別に一口飲めればいいんだけど……」
不服そうに、口を尖らせた本田くん。
「とにかく、飲むなら一条の。一条もそれでよかった?」
「もっ……もちろんです!」
気がついたら、翠の顔はストロベリーフラペチーノ同様に、真っ赤になっている。
……恥ずかしいだろうけど、翠はわたしにストロベリーフラペチーノを奢ってくれたんだもん。
片思いの人と距離を近づけさせるというお礼くらいはさせてほしいよ。
それに、わたしもひーくんと飲み合うことができて嬉しかったんだよ。
ありがとう、翠。