「信じられない」を、「真実の愛」に変えてくれたキミへ
第3章
もうすぐ夏休みが始まる。
プリントが配られ、夏休み中にやっておく宿題を見ては、口々に文句を言っている人もいた。
「短期バイト、してみようかな」
わたしは、思わずポツリと言ってしまった。
「どしたの、百々葉」
わたしの席を横切ろうとした翠が、目を丸くしている。
「いや、家のことも考えて短期バイトを視野に入れようかと思って……」
「ああー、じゃあ一緒にやる?」
「えっ、本当に?」
「うん、あたしも興味あったんだ」
翠と一緒なら大丈夫かもしれない。
わたしはそう思い、自然と勇気が出た。
「うん! 一緒に後で、バイトに関するアプリを見てみようよ!」
「そうしよう!」
わたし達は、お互いにVサインをした。