もう、秘密になんて出来ないっ!
着いた先は大きなアウトレットモール。休日だからかとても混み合っていて、普段家から出ないわたしはすぐに人酔いしそうだ。
「みあ、人混み苦手なのにごめんな。兄ちゃん今週は平日全部用事があってな。買う物買ったらすぐ帰ろう」
心配なのと申し訳ないのとで兄が珍しくショボンとする。
でも、わたしは知っているんだ。
「…わたしが欲しい調理器具のメーカーと食器のメーカーが一度に揃うのってこの辺じゃこのアウトレットモールだけだもんね。連れてきてくれてありがとう、お兄ちゃん」
お兄ちゃんはちゃんとわたしの好みを知っていてくれているからこそここに連れて来てくれたってこと。
そんな兄の気遣いが嬉しくてふわりと微笑めば、すぐに抱き締められた。
「ちょっ、お兄ちゃんっ」
「みあのそんな表情、他の野郎に見せたくない」
「何言って、」
「気付いてねぇの?さっきから周りの男どもが皆みあのこと見てるって」