もう、秘密になんて出来ないっ!

まじまじと見ると「みあ」の『M』と「れん」の『R』があるのを見つけてしまった。

チラリと兄の方を見れば、何やら店員さんと話し込んでいるもよう。

これは、チャンスか…?

バッとふたつのチャームを手に取り、急いでレジに持っていく。

「いらっしゃいませ。ただいま新品の物をお持ちしますね。少々お待ちください」

「えっ!?あ…、は、はいっ」

お兄ちゃんに見つかる前に、早く!早くっ!

もし見つかったら恥ずかし過ぎて死んじゃう…っ。

「お待たせ致しました。お求めの商品はこちらでよろしかったでしょうか」

持って来てくれたのは間違いなく『M』と『R』のチャーム。

それぞれパステルカラーのピンクとブルー。

とは言え、こんな可愛らしい物を兄にあげたとて気持ち悪いだけなので、今日の記念として自分で持っている事にしよう。

うんうんと1人で納得していると、

「なに買ったの?」

「きゃあっ!?」

突然頭上から兄の声が降って来た。


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