最強総長の愛するボディガード
遂にやってきた。
これからは、“本当の私”として仕事が評価されるんだから、しっかりやらないと……!
私は部屋に足を踏み入れ、ソファに並んで座っている二人の男性にお辞儀をする。
「初めまして、涼宮心羽と申します。これから蓮見蒼凰さんのボディガードとして全力を尽くしますので、よろしくお願い致しますっ」
そうして聞こえてくる、穏やかな低音。
「顔を上げて、涼宮心羽さん。そして初めまして、私は蓮見家当主の蓮見弥生。息子をよろしく頼むね」
顔を上げ、まだ一瞬しか見ていない顔をジッと見る。
スーツ姿がよく似合っている、整った顔だ。
蓮見弥生さん、蓮見家の当主……
それで息子ってことは、この驚いた顔をしているのが蓮見蒼凰さん……って、どうしてだろう?
書類によると高校三年生らしい蒼凰さんの父親にしては、弥生さんがとても若く見えることに驚く。
でも蒼凰さんのこの表情の方が疑問だ。
こっちが驚きたい。