最強総長の愛するボディガード
その後、私たちは弥生さんが帰ってくるまで初心な恋に幸せを噛み締めた。
そして夜の八時。
弥生さんが帰ってきたそうで、私は蒼凰さんにお姫様抱っこをしてもらって弥生さんの書斎へ向かった。
ノックをして入ると中には案の定弥生さんがいて、ここではきちんと立って挨拶を交わす。
「弥生さん、おかえりなさい」
「うん、ただいま心羽ちゃん。蒼凰もただいま」
「おかえり。ところで話があってさ、心羽、椅子に座ろう」
「ごめんね、ありがとう」
「……ん?心羽ちゃん、どうかしたの?」
そして私たちは、今日あった出来事と少なくともあと一ヶ月はボディガードの仕事が難しいということを弥生さんに話した。
話を聞き終えた弥生さんは、真面目な顔をして私を見る。
「いくら涼宮家のボディガードでも、心羽ちゃんはまだ子供だ。無理をしてまでボディガードをして欲しいわけじゃない」
「っ……」
やっぱり、こんな無能とは契約解除したいよね……
でも、どうやらそうでは無いみたいで。
「父さん、その言い方だと誤解しちゃうよ。心羽ちゃん、父さんは心羽ちゃんと契約解除をするつもりじゃない。そうだよね父さん?」