最強総長の愛するボディガード


私は久しぶりに憤りを感じて、大きな声で心さんに言う。



「蒼凰さんはあなたの幼なじみじゃないですかっ、なのに暴走族に襲わせて……怪我、いや死ぬかもしれなかったんですよ!?私が邪魔なら、私だけを狙わせればよかったじゃないですかっ!」



蒼凰さんを守るのが私の役目なのに、私が蒼凰さんの近くにいるせいで蒼凰さんに危険が及ぶなら、私なんていないほうが良いに決まっている。
理解できない心さんの行動に、いつもの冷静さを失う私。
一方心さんは、今となっては恐怖すら覚える笑みを浮かべて思惑を打ち明ける。



「嫌だなぁ、蒼凰のこと殺すつもりなんて無いよ〜。あっ、でも心羽ちゃんは排除するつもりだったけどね。だからそれに乗っかって蒼凰のことも連れて来れたら、ずっと一緒にいられるから一石二鳥だと思って。まぁ蒼凰強いから、最初から期待はしてなかったけどね。なのに心羽ちゃんの方まで失敗するとは思わなかったな〜、ねぇ、豹羅のみんな?」



そう言う時まで、やっぱり心さんは笑顔だ。
けれどその笑顔には圧があって、豹羅の人達は小柄な女の子一人に怯えた表情を見せる。



なんで豹羅の人達は心さんに服従してるの……?



けれどその疑問も、心さんの口によってすぐ晴らされることになる。

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