最強総長の愛するボディガード


瑠奈は誰にも耳を貸さないといった感じで耳を塞ぐ。
ここまで盲目的な瑠奈は、心さんからするとさぞ利用しやすい道具と変わらないだろう。
例え不仲でも、姉としていい気はしない。
なんとかして瑠奈を更正させたいけど、次々と飛んでくる拳や脚がそうさせてくれない。
ことの発端である心さんを煽りのつもりで見ると、心さんはニヤッと笑って。



「協力してって言ったら、即答だったよ〜」



と煽り返してきた。
私は確信する。
心さんに負けてはいけない、と。
そこから私は敵を倒すペースを更に上げ、十分足らずで残る人数三人まで追い詰めた。



「な、なんなんだよこいつ……」
「バケモンかよ……っ」



私のことを侮っていたのか、予想以上の強さに敵が怖気付く。
そこからは随分と一瞬で、私は五十人いた敵を一人残らず倒し終えた。
体力は削れてしまったけど、これで瑠奈と話が出来る。
私が息を整えてステージを見ると、二人はとても驚いた顔をしていて。



「心羽ちゃ〜ん、どうして全員倒しちゃってるのかな〜……」



流石の心さんも私が五十人に勝つとは思っていなかったようで、笑顔が引きつっている。
瑠奈は何も話さない。
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