最強総長の愛するボディガード
だからこちらから話を切り出そうとすると、瑠奈はステージ上から降りてきて。



「もういい……私が心羽を倒す」



そう、強い意志のこもった声で言った。



そっか……瑠奈は、そうまでして私に死んで欲しいんだ……
なら、こっちも全力で相手してあげる。



私が身構えると、瑠奈の足音が段々と速くなって。
瑠奈はあっという間に私の目の前までやってきた。



瑠奈は幼い頃からよくスピードを褒められてたよね。
衰えてないみたいで安心した。
でも、私は瑠奈よりずっと時間をかけて努力してきたの。
負けるわけにはいかない!



私は瑠奈の動きを見極めて、顔面目掛けて迫ってくる回し蹴りを華麗に避けた。
そして瑠奈が地面に着地する瞬間を狙って、私は瑠奈の脚を自分の脚で固定する。
それから上腕を掴んで、瑠奈のおでこに頭突きをした。
辺りにゴツ、という鈍い音が響く。
瑠奈はその場に崩れ落ち、顔を見ると意識を失っているようだった。
きっとすぐ目覚めると思うけど、勝負は私の勝ちで良いだろう。



相変わらずなのは、私の石頭もなんだからっ。
それで……

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