最強総長の愛するボディガード


ところで……
瑠奈は私が防弾チョッキを着ていることを知っているはず。
なのに頭じゃなくて体に向かって打ったのは、まさか……



いや、ただ怖気付いただけだと思っておこう。



そうしている内に瑠奈は無事に取り押さえられ、視線は心さんに集まる。



「心、どういうことか説明しろ」



いつになく怒っている蒼凰さんが、心さんに冷たい言葉を放つ。
それは心さんにとって初めてのことだったらしく、心さんの瞳には動揺と恐怖の色が現れた。



「……だ、だって、心羽ちゃんが邪魔だから……あ、あのねっ、私と蒼凰は婚約するのっ、そしたら家同士の利益にも……」
「俺の婚約者は、心羽ちゃんだけど?」
「……え?」



今のは心さんの声。
でも、私も思わず声が出てしまいそうになった。



私が蒼凰さんの婚約者……!?
そんなはず……
あ、心さんを騙すためか!
そうだよねっ、うん、きっとそう……

< 126 / 151 >

この作品をシェア

pagetop