最強総長の愛するボディガード


私が瑠奈の言葉に思い詰めていると、蒼凰さんは言ってくれる。




「俺が心羽ちゃんに捨てられることはあっても、俺が心羽ちゃんを捨てることは絶対にないよ。心羽ちゃんの代わりなんていないからね」
「っ……なんなのよ、もうっ……この束縛男め……」



やっと瑠奈が引き下がったかと思われたその時、彰人の「おい!」という声がステージに向かって発せられた。
どうやら心さんが逃げようとしていたらしい。
それには蒼凰さんもムカついたらしく、声がいつもより低くなる。



「心、俺たちを舐めるな。お前がここから逃げたって俺たちはすぐ捕まえられるんだ。それに、豹羅のやつは俺たちが全員倒したんだから、逃げる足も帰る足も無いだろ?使用人も見た感じいなかったし」



問題点を言い当てられた心さんは、悔しそうにギュッと唇を噛む。
けれどそれは一瞬で、顔を上げた心さんは悲しそうな“少女”の顔をして尋ねる。



「っ……ねぇ蒼凰、蒼凰は心羽ちゃんが好きなの?」
「ああ」
「ほんとのほんとに?」
「ああ」
「っ……じゃあ蒼凰は、私の思うようになってても、私のことを好きにはなってくれなかったんだね……心羽ちゃん、ごめん、なさい……っ」

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