最強総長の愛するボディガード

褒められたくて。




心羽side



半年後。
今日は、蒼凰さんと一緒に……っとその前に。
心さんと瑠奈がどうなったのかについて話しておこう。
まず心さんについては、反省が見られたため、蓮見家と天ヶ瀬家の間に亀裂が入ったということで許された。
しかし瑠奈には反省している様子が見られなかったため、成人するまでボディガードの依頼を受けられないことと、保護観察処分が下された。
昏のみんなは甘いと言っていたけど、瑠奈に今までの努力を無かったことにして欲しいわけじゃないから、私は取り返しのつくこの処分で満足している。
そして彰人との間にあった距離のことだが、それも今は無くなり、友達として普通に仲良く過ごしている。



蒼凰さんの視線が痛いのが玉に瑕なんだけどね……



ということで、最初言いかけたことに話を戻そう。
実は二日前、蒼凰さんが高校を卒業し、今は進学が決まっている大学への入学準備を頑張っている最中なのだ。
おお、それはおめでたい、とそうなんだけどそうではなくて。
私のボディガードの契約期間は約一年間だった。
それは、弥生さんによれば蒼凰さんが高校を卒業するまで、という意味だったらしく。
契約期間を経て任務を無事完了した私は、今日それを報告しに実家へ帰るのだ。
なぜだか分からないけど、蒼凰さんも一緒に。
だから私たちは車へ乗り、涼宮家へ向かい始めた。



その一時間後。
私の目の前には、一年ぶりに見る涼宮家の邸宅があった。

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