最強総長の愛するボディガード


「お久しぶりですお父様、心羽です」



すると向こうからは、驚いたお父様声が聞こえてきて。



「……心羽?……まぁいい、入りなさい」
「失礼します」



私が書斎の扉を開けると、中には少しやつれたように見えるお父様の姿があった。
けれど書類確認をしているのは相変わらずだ。



「心羽、そちらの方は確か……」



挨拶の一言も無しに、お父様は私の隣に立っている蒼凰さんについて尋ねてくる。



「はい、今回の任務の護衛対象だった、蓮見家のご子息、蓮見蒼凰さんです」
「おお!そうでしたね、また一段とご立派になられて……」
「お久しぶりです涼宮さん。以前お会いしたのは確か、我が家が開催した祝賀会だったような」
「そうですね」



あまり見ないお父様の優しい表情。
それを最後に私に向けてくれたのは、いつだっただろう。
もう覚えてもいない。



立って話す二人のやり取りを少し羨ましく思っていると、お父様の方から本題を尋ねてくる。

< 140 / 151 >

この作品をシェア

pagetop