最強総長の愛するボディガード
「お久しぶりですお父様、心羽です」
すると向こうからは、驚いたお父様声が聞こえてきて。
「……心羽?……まぁいい、入りなさい」
「失礼します」
私が書斎の扉を開けると、中には少しやつれたように見えるお父様の姿があった。
けれど書類確認をしているのは相変わらずだ。
「心羽、そちらの方は確か……」
挨拶の一言も無しに、お父様は私の隣に立っている蒼凰さんについて尋ねてくる。
「はい、今回の任務の護衛対象だった、蓮見家のご子息、蓮見蒼凰さんです」
「おお!そうでしたね、また一段とご立派になられて……」
「お久しぶりです涼宮さん。以前お会いしたのは確か、我が家が開催した祝賀会だったような」
「そうですね」
あまり見ないお父様の優しい表情。
それを最後に私に向けてくれたのは、いつだっただろう。
もう覚えてもいない。
立って話す二人のやり取りを少し羨ましく思っていると、お父様の方から本題を尋ねてくる。