最強総長の愛するボディガード


「それで心羽、今日は何の用件で来たんだ?」



来た……!
やっと、この言葉が言える……っ
胸を張って、誇らしげに。



「任務完了の報告に参りました」



お父様の反応は?
よくやったって、褒めてくれる……?



そう期待していたけれど、現実は違った。



「そうか、今回は運が良かったんだな」
「……え?」



運、って……



「ち、違います!確かに私が蒼凰さんに助けられてしまうこともありましたが、私は自分の力で任務を成し遂げたんです!」
「何を言っている。護衛対象に助けられているようでは、一人前のボディガードとは程遠いだろう。それに今まで数え切れないほどミスをしてきたお前が、一年という長期間の任務を完了出来たと?嘘も休み休み言うんだな」
「っそれ、は……」



それは全て瑠奈の犯したミスです。
そう言えたらと、何度思ったことか。

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