最強総長の愛するボディガード
蒼凰さんを見ると、一年近くで過ごしてきた私だから分かるほどの、小さな怒りを表情に浮かべてお父様を見ていた。
お父様は、とても動揺した様子で、
「……はい?」
と呟いた。
「そのままの意味です。心羽さんは妹の瑠奈さんにミスを押し付けられ、今まで正しい評価を受けてこなかった。なぜ本当のことをあなた方に言い出せなかったか分かりますか?それはあなた方が瑠奈さんの言葉を微塵も疑わなかったからです。でも今回の任務は瑠奈さんのいない一人の任務だったから、心羽さんにとって本来の実力を示せる絶好の機会だったんです。結果彼女は立派に任務を完了してみせました。だから私は今ここにいる。なのに涼宮さん、あなたは先程心羽さんに向かってなんとおっしゃいましたか?」
「っ……」
蒼凰さんが、私のためにここまで言ってくれるなんて……
その言葉はお父様に大打撃を与えたらしく、お父様はその場から一歩後ずさる。
「し、しかし……いくら私たちが瑠奈を疑わなかったからと言って、言い出す力のない心羽にも非は」
「そうですか」