最強総長の愛するボディガード
「はいはい。え〜っと、俺かな?初めまして、羽鳥結斗(はとりゆうと)です。年は蒼凰と同じだよ。何か分からないことがあったらいつでも聞いてね。それと……」



途中で言葉を切ったかと思えば、羽鳥さんは少し困った顔で一番奥に座っている男の子を見て。
先程私を見て舌打ちをしてきた人だ。
きっと羽鳥さんはその人に自己紹介をして欲しいんだろうけど、その人は羽鳥さんをキッと睨んで部屋を出ていってしまった。
すると羽鳥さんは申し訳なさそうに言う。



「ごめんね、今出ていったのが高二の川名彰人(かわなあきと)。トラウマがあって女性が苦手なんだ。冷たく感じると思うけど、大体の人にはあんな感じたから気にしないで」
「はい」



表情を変えずに返事をするけど、心の中ではとても納得していた。
確かに、女性が苦手なのに突然初対面の私が来たら、驚くし嫌だろうなと。



護衛対象ではないけど、任務を完璧に遂行するためには周りの人との距離感も大事だよね!
川名さんと接する時は特に気をつけよう。



そう心に留めて、これから屋上に上がるのかな?ととりあえず様子を見る。
すると、羽鳥さんが「あ、そうだ」と声を上げて。



「心羽ちゃん、これからここに来ることも多くなるだろうし、軽く部屋の説明をさせてもらおうかな?」
「あっ、ありがとうございますっ」


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