最強総長の愛するボディガード
その後、このタワーマンション自体が、蒼凰さんを総長、羽鳥さんを副総長、他の四人を幹部とする暴走族「昏」のアジトであり、様々なセキュリティがあることなどを教えてもらった。
凄すぎる設備に驚くとともに、いざという時の為にセキュリティの仕様を覚えるのが大変で、いつもとは違う焦りを感じていた……なんて、それはここだけの秘密。
そんなこんなで、いよいよ屋上へ行くことになった。
「普段は常用のエレベーター使って行くから、一回部屋出ようか」
「はいっ」
羽鳥さんを先頭にエレベーターに乗り込み、初対面の私がいるせいで気まずい空気になるかなと思っていたけど、そうはならなくて。
「ねぇねぇっ、心羽ちゃんって何歳?」
「高校一年です」
「えっ、タメじゃん〜!もしかして今の数学の授業ってさぁ……」
と、飴奈さんと他愛のない会話をしながら、私は屋上までの時間を過ごした。
屋上へ着き、エレベーターから降りる。
そして目に入ったのは、笑顔で和気あいあいとお肉を頬張る少年少女たち。
ざっと、百人は超えているだろう。
みんな楽しそうだな、と思って見ていると、一人の男の子が蒼凰さんたちに気がついて声を上げる。
「あっ、蒼凰さんたち〜!お先に頂いてま〜す!肉美味いですよ〜!」