最強総長の愛するボディガード

突然蒼凰さんの顔が近づいてきて、私は身動きが取れなくなる。
でもすぐに体は動くようになり、思わず私はビンタをしてしまった。



「ごごごごめんなさいっ!急に顔が近づいてきたからつい……すみませんっ」



全力で謝る私に、蒼凰さんはまたよく分からないことを言ってくる。



「心羽ちゃん、俺のこと好き?」
「え……?」



蒼凰さんのこと、私は……



「好き……というか、昏のみなさんをまとめる立場にいて凄いなって、尊敬してます!」



昏の総長で、あんなにたくさんの人をまとめてる蒼凰さんですから!
というか、蒼凰さんはどうしてこんなこと聞いてくるんだろう?



少し赤くなった蒼凰さんの左頬を心配しながら疑問に思っていると、蒼凰さんは呟く。



「へぇ、こんな子初めてだ」
「え?」



そして何か含みのある笑みを浮かべて、



「心羽ちゃん、これからたくさん“仲良く”してね」



と私の頭を撫でながら言った。



「?はい……」



本当に何を考えているのか分からない……



不思議に思う私を置いて、蒼凰さんは何も言わずにその場を離れて行ってしまった。



疑問はたくさんあるけど、昏の人達にたくさん信頼されてるんだから、きっといい人であることには変わりないよね!



そう自分に言い聞かせ、夜は弥生さんと蒼凰さんと一緒に豪華なディナーを食べ、とても幸せな気持ちで一日を終えた。


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