最強総長の愛するボディガード

女嫌いの幹部




心羽side



蒼凰さんのボディガードとして蓮見家へやってきた翌日、蒼凰さん達と朝食を取ったあと、私は学校へ行く準備を始める。
家業をしているとはいえ私はまだ学生だから、学費を払ってもらっている以上通学しなければならない。
蒼凰さんとは別の学校のため、使用人さんに車を運転してもらって、私一人での登下校になっている。
これは昨晩弥生さんと話し合った結果決まったことで、最初は私一人の為に使用人さんを動かしてもらうのは申し訳ないと断ったけど、「心羽ちゃんも大事なお客さんだから」と押し切られてしまった。
そしてそれよりも問題なのが、蒼凰さんと学校が別ということは、学校にいる間、私は蒼凰さんのボディガードが出来ないということ。
決して安くないお給料を約束してもらっているのに、護衛する時間が減っては申し訳ない。
だから私が蒼凰さんの学校へ編入することも考えた。
でもこれも「それを分かった上で決めた額だよ」と、そして「学校には男の子の幹部も通っているからきっと大丈夫」と言って、お給料の額が変わることは無かった。
蒼凰さんがどれほど強いのか分からないけれど、暴走族の総長を担えるほどの実力は持っているはずだから、それを信じて私は今日も学校へ行く。
使用人さんに「よろしくお願いします」と言ってから車へ乗り込み、窓の外を眺める。



瑠奈とも学校が違うからきっと会うことはないと思うけど……
瑠奈、ちゃんと任務をこなせてるかな?
って、自分の心配をしなくちゃだよね!
学校から帰ってきたら、ボディガードとしての役目をしっかり果たさなきゃ!



そして私はいつも通りの学校生活を送ったあと、お迎えの車で昏のアジトへと向かった。

< 28 / 151 >

この作品をシェア

pagetop