最強総長の愛するボディガード


学校から車で三十分強。
私は昏のアジトへ到着した。
蒼凰さんは、放課後を昏のアジトで過ごすことが多いそう。
だから蓮見家ではなくここにやってきたんだけど……
もう入っちゃっていいのかな?
カードキーは昨日のうちに貰っている。
だからいつでも入れはするんだけど、蒼凰さんがもう中にいるのか、それともまだ帰ってきていないのかすら分からない。
連絡先も交換してある。
でももし何かご用事の最中だったら……?



不安で何も出来ず入口の前をウロウロしていると、後ろから車のタイヤと地面が擦れる音がしたので振り返る。
車から降りてきたのは、学校終わりらしい制服姿の川名さん……じゃなくて彰人さん。



結斗さんにはいいよって言ってもらったけど、女性が苦手な彰人さんを名前で呼んじゃっていいのかな?



考えた末出た結論は。



もしダメだったらお叱りを受けよう。
だから今はとりあえず彰人さんって呼ばせてもらおう!



ということで、彰人さんに挨拶をしようとすると。



「彰人さ……」
「邪魔、喋りかけんな」
「……すみませ」
「黙れ」
「………」

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