最強総長の愛するボディガード
体調の悪い彰人さんに頼ってはいられないので、自力で探そうとまずは近くの棚を見に一歩踏み出すと。
グイッと手首を引かれ、ソファに横になっている彰人さんへ視線を落とす。
「彰人さん?」
「俺、の……部屋……っ」
「え?彰人さんのお部屋ですか?」
そう尋ねると、彰人さんは弱々しく頷く。
彰人さんのお部屋があるのかな?
「どこにあるか言えそうですか?」
すると少しの沈黙の後、彰人さんは
「702……」
と答えてくれた。
702ということはきっと七階だろう。
そう踏んで、私はまた彰人さんを運び始める。
結構時間はかかったけど、エレベーターから彰人さんのお部屋までが近かったこともあり、想像より疲れずに702のお部屋に着くことができた。
お部屋の前に着くと、彰人さんはズボンのポケットからなんとかカードキーを取り出し、鍵を開ける。
そして覚束無い足元だけど、何とか自分の足で寝室へと歩き出した。