最強総長の愛するボディガード
二時間後。
そろそろ起こさないとまずいので心羽に声をかけようとすると、心羽の瞼がゆっくりと開いていった。
「お、起きたか。おはよう」
「……あれ……?」
寝起きで状況がよく分かっていないのか、心羽は少しの間一点を見つめたあと、
「……わ、私、なんてことを……っす、すみませんでした!」
と土下座をして謝ってきた。
「いーよ別に。疲れてんだろうし、看病もしてもらったからな。てか敬語、戻ってんだけど?」
「あっ、すみませ……じゃなくて、ごめんね彰人」
「ん。てかもう七時前だけど」
「え!?私、蒼凰さんの所に行かないと……っ」
「蒼凰にはもう言った」
心羽は、寝ている間に蒼凰から電話がかかってきていたことを知らない。
だから心羽は、俺の言葉にホッとしたような顔を見せる。
「彰人、本当にありがとう……!でもボディガードはちゃんとお金を貰ってやってるお仕事だから、私行かないと!体調は大丈夫?」
「ああ。まだ熱はあるけど、だいぶマシになった。こっちこそありがとな」