最強総長の愛するボディガード
「でも今回の任務はただの任務じゃない。護衛任務なのは変わらないが、もし失敗したら、お前には涼宮を出ていってもらう」
「………はい」



一応予想外ではあったけど、不必要な声が出るほど驚きはしなかった。



そうだよね、お父様たちからしたら無能はいらないよね。
きっと私を処分できる良い機会だと思ったんだ……
だから呼ばれたのも私だけ。



悲しくないと言えば嘘になるかもしれないけど、私は嬉しくもある。
実を言うと、初めて瑠奈のミスを私のせいにされたあの日から、私は毎日自主練をしている。
例え事実を話すことを諦めても、怒られても、胸の奥底では「認められたい」と思っているのだ。
認められることを諦めきれずに、瑠奈より何倍も努力して褒めて貰いたいと。
その時がやっと来た。



お父様、機会をくれてありがとうございます。
絶対、絶対に成功させる。
そうしたらきっと、よくやったって言ってくれるよね……?



私はお父様の目を真っ直ぐ見て言った。



「はい、必ず任務完了の報告をしに参ります」
「……そうか。これが詳細だ、明日までに目を通しておけ。任務は明日からだ。車を用意するから、指定された場所へ時間通りに行くように」
「はい」
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