最強総長の愛するボディガード
中二の春。
首にキスマークがついていたり、胸元がはだけていたとしても気にせずアジトへ行く俺は、俺が女遊びをしていることに勘づいた結斗と彰人に今すぐやめろと非難された。
だからその度に俺は、
お前らにこの気持ちが分かるわけねぇだろ……
と思いながらも、
「二人とも顔が怖いよ〜」
などと言ってはぐらかす。
そんな日々が続く中、それでも心の底では自分のしていることが良くないことだとは分かっていたし、一向に愛が分かる気配のない自分にも焦りを感じていた。
それから五年。
未だ女遊びはやめられないでいたけれど、俺のボディガードとしてやってきた涼宮心羽ちゃんに出会ってから、俺の世界は変わり始めた。
心羽ちゃんに出会ったその日、俺は心羽ちゃんを今日の遊び相手にしようと、部屋まで送り届けることによって二人きりの時間を作った。
いつもならこのタイミングで女は色目を使ってくる。
なのに心羽ちゃんはそんな素振りを全く見せず、
「はい、ありがとうございますっ」
とお礼を言ってきた。