最強総長の愛するボディガード


そう言われた俺は頭が真っ白になって、どうして女嫌いである彰人が心羽ちゃんと一緒にいるのか問い詰めようとした。
けれど電話は切られてしまい、1005の部屋に一人佇む俺は、心羽ちゃんと彰人の二人が一緒にいて何をしているのかをずっと考えていた。



その日、家へ帰り心羽ちゃんの部屋の前までやってくると、俺は我慢が出来ず、心羽ちゃんにキスをしてしまった。
心羽ちゃんは顔を赤くして混乱しており、それが自分によってうまれた表情なのだと思うと、独り占めにして誰の目にも入らないところに閉じ込めたくなった。
けれど、俺にはこの感情の名前がどうしても分からない。
結斗や彰人じゃなくて俺を見て欲しいと思うこの感情。
だからそれがとてももどかしくて、腹が立って、寂しくて。
でも、心羽ちゃんはそんな俺に、



「私は蒼凰さんだけのボディガードですからっ!」



と言ってくれたのだ。
だからそれ以来、心羽ちゃんが結斗や彰人たちと仲良くしていても俺はこの独占欲を抑え我慢した。
それなのに……



あ〜んとかさ……
心羽ちゃんは俺を殺したいの?



彰人の隣に座る彼女の細い手首を、俺は強く押さえつける。

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