最強総長の愛するボディガード


「ねぇ、いい加減にしてくれないかな」



俺がそう言うと、心羽ちゃんは瞳に困惑と恐怖の色を浮かべて俺を見つめる。



その表情、もっと見せてよ、俺だけに。



「俺を嫉妬させていい気分?俺は他の男の視界に心羽ちゃんが入るだけでも嫌なのに、心羽ちゃんは彰人たちと楽しそうに……ねぇ心羽ちゃん、俺のためにめちゃくちゃになってくれない?」



心羽ちゃんの膝の上に置かれていた箱の中から、一つのチョコレートを手に取る。
そして口に咥え、心羽ちゃんの口へと近づける。



彰人にあんなことする心羽ちゃんがいけないんだよ……?
だから心羽ちゃんには……



その時、ゴッという鈍い音が部屋の中に響いた。



「お前、ふざけんなよ」



彰人に左頬を思い切り殴られたのだ。
口の中が切れ、チョコレートを伝って血が流れ出る。

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