最強総長の愛するボディガード


「っ蒼凰さん、血が……っ」
「心羽、そいつから離れろ」



心羽ちゃんは彰人によって俺から引き離される。
彰人は酷く怒っているようで、それは結斗もだった。



「蒼凰、こっち見て」
「……なぁに結斗」
「俺前になんて言った?」



ああ、もう聞き飽きたよ、それ。



「遊びはやめてって……」
「遊びじゃねぇよ」
「え?」



心羽ちゃんに見せたことのない、族を相手にする時の口調で言う。



「本気だっつってんだろ」



その瞬間、自分の中で何かが透き通って。



心羽ちゃんが俺以外の男と話していたら、
心羽ちゃんが俺以外の男に微笑んだら、
心羽ちゃんが俺以外の男と触れたら、
心羽ちゃんが俺以外の男の視界に入ったら、苛立ってしまう根本にある感情は。

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