最強総長の愛するボディガード
そこで思い出す。
私は、過去に蒼凰さんにキスをされていることに。
それにより心さんの言っていることの信ぴょう性が上がり、何故か裏切られたような気持ちになる。
そんな私に対し、心さんからは自信や楽しさといったものが窺えた。
「蒼凰ね、中学校入った辺りから女遊びするようになっちゃって。理由は分からないけど、きっと何か悩んでたんだと思う。でも今日久しぶりに蒼凰に会ったら、前より明るく?なったような気がして……それってさ、心羽ちゃんのせい?」
「え……」
“せい”って、どういうこと……?
「だってさ、私が最後に蒼凰に会った時と変わったところがあるとすれば、心羽ちゃんが蒼凰のボディガードになったことだけだから。同じ部屋にいたってことは、多分彰人も心羽ちゃんのことは大丈夫なんだよね?そんな心羽ちゃんだから、私だけを見てくれてた蒼凰を心羽ちゃんはどこかに隠しちゃったんだ……」
「っ……何のことか、分かりませんっ」
私だけを見てくれてた……?
そんな蒼凰さん、私は知らないもん……っ
心さんの中にいる蒼凰さんは、私の知っている蒼凰さんとは別人なんじゃないか。
そう考えずにはいられないし、何故かそうであって欲しいと思う。
そんな私をもっと傷つけたいと思っているかのように、心さんは話を続ける。