最強総長の愛するボディガード
「蒼凰は確かに女遊び酷いんだけど、私だけは大切にしてくれてるの。遊びに行こうって言ったら行ってくれるし、くっついても怒らない。女遊びの子たちはすぐ捨てられてきたのに対して、私は特別なんだっ。だからさぁ心羽ちゃん……」
心さんは、私の耳元で囁く。
「君、邪魔なんだよね」
「っ……」
何か言い返そうにも、蒼凰さんのことをよく知らない私と幼なじみの心さんじゃ、絶対に勝てない。
だからただ下を向いているしかなくて、逃げ出したいと思っていると、空から雫が降ってきた。
「あれ、雨だ。早く入らないと風邪ひいちゃう。てことだから心羽ちゃん、蒼凰から離れてくれない?別に反抗してもいいけど、心羽ちゃんもいいようにされるだけだと思うよ?」
そう言って心さんはエレベーターの方へ向かっていく。
その去り際には、
「蒼凰は私のモノだから、その点はよろしくねっ」
なんて言って笑みを浮かべていた。
私は一人屋上に残される。
心さんの言っていることは本当なのか、蒼凰さんから離れろと言われてしまったけど、ボディガードのことがあるからそれは出来ないし、どうするのが正解なのか。