来る日も来る日もXをして

10961キロ

「・・・は?冗談ですよね?」

最初に声を発したのは東雲(しののめ)くんだった。

明日(あけひ)さんがフィンランドに行くっていうのはわかります。更科(さらしな)さんがハワイ2号店っていうのも。でもなんで僕までハワイに!?僕は3年でここやめるって約束ですよね!?」

声を張り上げる東雲くんを社長が見据える。昨日とは違い落ち着いた様子、いつもの彼女だ。

「昨日のことで、今まであなたの勤務態度の悪さを見て見ぬふりしていたことを反省したの。あなたを野放しにしていた私達にも大きな責任があるわ。今まであなたのお父様に会社でのあなたのことを聞かれても『よくやってくれています。』って嘘をついていたの。昨日本当のことを話したらとてもお怒りだったわ。そして『息子をもっと厳しい環境において鍛えてほしい。』って。あなたが昨日(すずな)さんの指示に従ったのを見て、彼女とハワイ2号店に行くのが最適だと判断したのよ。お父様は了承済みよ。是非そうしてほしいって。」

「そんな!父は関係ないでしょう!?僕は成人していて、自分の稼ぎで暮らしていける、一人前の大人です。父の持ち物じゃないんですよ!?社長が父の言うことを聞くのは、昔彼のことが好きで、今も融資を受けているからでしょう!?」

───え!?

社長は否定しない。本当のことなのだろうか。
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