暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る～花嫁候補のようですが、謹んでお断りします～

「どうするつもりですか？」
さすがの課長も不安そうだ。

決して創介さんが悪いわけではないけれど、もし本当にオープンに間に合わなければ事業を主導してきた責任を問われることになりかねない。

「荷物がコンテナごと消えるなんてあるんですか？」

私にとってはまずそれが不思議でしかない。
そもそも船荷会社は、荷物に責任を負うわけで、当然管理には万全を尽くす。
簡単に荷物が消えるなんて事はありえない話だ。

「荷物を消したい奴がいるってことだな」
「それって…」

偶然の事故ではなく、誰かが意図的に荷物を奪った。もしそうなら、それは犯罪。

「そうは思いたくないが、可能性は高いですね」
どうやら課長同じ見解のようだ。

どこにだって悪い人はいる。
どんなに注意していても、犯罪に巻き込まれることがある。
しかし、海の上を搬送中のコンテナを1つ盗む事は簡単なことではない。
周到な準備をして、手間をかけ、人手をかけてやっと成り立つ犯罪。ましてや中身がブランド品となれば、売りさばいたところで足がつきやすいから、決して利口なやり方とは言えない。
ならば、お金以外の目的のために行ったと思うのが自然だろう。
他に考えられる目的と言えば・・・