イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
また、私と同じ苗字……。ドキドキしながら耳を傾けていたけどまた“皇”という言葉が出てきた。
そのせいで緊張感がさらに増す。
オマケに暴走族という言葉。噂には聞いていたけど柴崎くん本当に暴走族なの……?
「おい、またケンカに巻き込まれたのか」
「ああ。しつこいから返り討ちにしてやった。ったく、アイツらも懲りないよな」
「確かに、ANARCHYは弱いくせにねちっこいからなぁ」
「……皆様、話が進みませんよ。皇様も困っております」
「……え?なんで、私の苗字……」
ぼーっと聞いているとタキシードの男性から名前を呼ばれてハッとする。
なんで私の名前を知ってるの……?
まだ名乗っていないのに。
「獅子堂、口を滑らすな。怪しまれる。まだ自己紹介してないだろ」
「これは失礼しました」
私の名前に反応したのは柴崎くん。
怒ったような口調で言い放つと私を見る。だけどその目は何を考えているのか分からない。