別冊・ダブルブルー
…私、だって…


ちいさく呟いたけれど、鏡の中の青さんと目が合わせられないのは、急に恥ずかしさが襲ってきたから。


蒼ちゃん。


私の名前を呼ぶ青さんの声に、まだ羞恥心にかられる私に。


「蒼ちゃん」


再度、青さんの声で囁かれる、お揃いの名前。


そうだ。


お揃い、なのだ。

その事実に、遅ばせられながらも、勇気をもらう。


『あお』ちゃん。
『あお』 さん。 


揃ったのは、お互いを呼ぶ、ブルー。










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