別冊・ダブルブルー
「…し、嫉妬してんのッ!心配じゃなくて、嫉妬してるんですー!!」


拗ねた表情、それでいて羞恥心も感じる表情。


そんな表情のひとつひとつが、私のココロに刻み付ける。


素直で優しくて、思いやりに満ちている、『青さん』というひと、を。


やけくそ気味の、その口調も、可愛らしくて愛らしい。


青さん、かわい。ふふふ。


言いながら、その胸に抱きついている。


いつもの柔軟剤の香り。


それは、私とおんなじ香り。


こんなに近くにいられるからこそ、感じられる香り。


それをここぞとばかりに、胸いっぱいに吸い込んだ。



< 56 / 79 >

この作品をシェア

pagetop