別冊・ダブルブルー
そんな私の行動に、


「なになになになになにー?!なんで止めるの?!ねぇッ!なんで?!」


呆然とした青さんの表情が可愛くて、ちいさく吹き出した。


「なんで笑ってるの?!頬っぺた、頬っぺた寄越せー」


なんて、ずいずい近寄ってくる青さんに。


「くちびるはまだ、大丈夫なんです。リップまだだったから。でも、頬っぺたはダメです。チークはまだだったけど、ファンデーションの下地にパールが入ってるから、触ったら青さんについちゃ…」


言いかけている途中でコトバが途切れたのは、青さんに両手を掴まれて、思いっきり頬擦りされたから、で。


「……、」


コトバをなくして、青さんにされるがまま。


「これで、よし」


やっと私から離れた青さんの頬が、朝のやわらかな光を浴びて、私の頬から移ったパールを光らせている。


「もう。誰かに指摘されたら、どうするんですか?」


「ん?可愛い奥さんからもらったって言うけど?」



たまに、青さんのココロにブルーな感情がやってきたって、ふたりなら越えられる。


しんどいブルーはいつも、はんぶんこ。



ブルー×ブルー/6






< 59 / 79 >

この作品をシェア

pagetop