別冊・ダブルブルー
丁寧に挽いたコーヒー豆に、丁寧に丁寧にお湯を注ぐ。


いつも、私にコーヒーを淹れてくれる青さんに、今日は私が、丁寧に。


大きめの、透明な薄いブルーのグラスに氷をたっぷり。


熱いコーヒーをゆっくり注いだら、初めて青さんの部屋に遊びにきた日を思い出す。


緊張して、居場所が掴めない私に、青さんが差し出してくれた、アイスコーヒー。


溶けだした氷が、涼しげな音をたてる。


香ばしい香りと、今までのふたりきりの思い出。


そうしてそれは、これからも続いてゆく。


そのことがとても、嬉しい。



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